DTMの特徴として、バンドや弾き語り、オーケストラ、合唱等生演奏では実現できないような音楽表現が可能であるということが挙げられます。
今回の記事では、特にDTM特有の表現で尚且つ名称があるものを5つ紹介しようと思います。
既存の有名な曲で使われている演出も、もしかしたら出てくるかもしれません。
サイドチェイン
サイドチェインとは、ダンスミュージックなど主に電子音楽系のジャンルに登場する技法です。
キックの音が鳴る瞬間だけベースやウワモノの音量が一時的にグッと下がるような設定をすることで、非常に独特な聞き心地になります。
サイドチェインを掛ける方法は主に2種類あると考えます。
1つは、まずベースやピアノ等音量に変化を付けたいトラックにコンプレッサーをさしてサイドチェインをオンにし、そのコンプレッサーにキックの音をセンドで送るという方法です。
2つ目は、トラックのボリュームを、キックに合わせて音量が変化するようにオートメーションを描くというやり方です。
詳細な方法についてはDAWによっても異なるので、是非お持ちのDAWのサイドチェインのやり方を調べてみてください。
リリースカット
リリースカットとは、音の余韻をバッサリ切ることで独特な音色を出す手法です。
個人的にリリースカットと相性が良いのはピアノ、スネア等です。
特に、リリースカットピアノでは16分音符やもっと細かい間隔で同じ音を連打させることで、人間に演奏不可能で機械的なカッコいいフレーズができることがあります。
筆者の曲だと、「宴参道」と言う曲で全編通してリリースカットピアノの音が取り入れられています。
ボーカルチョップ
ボーカルチョップとは、既存のボーカルサンプルを細かく切って、バラバラに並べ替えることで新たなメロディーラインを生み出す手法です。
普通に歌うのとは違って、母音や言葉の意味等がチグハグになり、一味違うサウンドが出来上がります。
また、サンプルのピッチを敢えて上げたり下げたりすることで、フォルマント(簡単に言うと声質)にも変化が生じ、面白い結果が得られます。
リバース
リバースとは、言葉の意味通りサンプルを逆再生することです。
相性が良いのは、シンバルの音やピアノの音です。
サビに入る直前の盛り上げたい場面にシンバルリバースを取り入れたり、普通のピアノのフレーズを一音一音リバースした状態で演奏させることで独特な雰囲気が生まれます。
有名な曲だと、RADWINPSさんの「夢灯籠」という曲のイントロのギターの音にリバースがかかっています。
テープストップ
テープストップとは、レコードやカセットテープで鳴っている音楽を止めた時のような音を再現する手法です。
音源のピッチと再生速度が下がっていくような演出なのですが、このテープストップのかかり具合を速く設定して掛けることでフレーズの終わり際をスタイリッシュにする等、様々な使い方があります。
具体的にテープストップを掛ける方法として、テープストップを再現するプラグインを導入するのが良いでしょう。
個人的なオススメのプラグインはKiloheartsの「Tape Stop」です。
こちらはテープストップの掛かり方や掛かる速さを直感的に操作することができ、UIも非常にシンプルなので使いやすいと思います。
しかも無料です!
例として、筆者の「Overcome」という曲のイントロでテープストップが使われていますので良かったら聞いてみてください。
まとめ
いかがだったでしょうか。
曲を聞いていて、名前はよく分からないけどカッコいい!と感じる手法ってありますよね。
この記事が、DTMの手法や名前を調べるきっかけとなれば幸いです。
コメント