バンドのことを理解していると弾き語りに役立つ理由

バンドのことを理解していると弾き語りに役立つ理由

軽音バンドと弾き語りの関係は、オーケストラとピアノの関係に似ている。

ギターとピアノは完全楽器と呼ばれる種類の楽器で、メロディー・リズム・ハーモニー全てをその楽器1つだけで担うことができる。

どちらも楽器1つだけで完結した音楽を奏でられる点が似ており、有名な楽器なので比べられることもある。

ギターの弾き語りやピアノの演奏で共通しているのが、色々なパートの演奏をその楽器1つで出来るよう編曲しなければならないということだ。

特徴的なフレーズやその曲の雰囲気を伝える上で重要な和音の進行、リズムやビートのパターン等の、聞くとその曲だと他の人に伝わるような部分、その曲をその曲たらしめている部分を盛り込んでいくのだ。

曲の雰囲気をガラッと変えたようなアレンジも好きではあるが、個人的に弾き語りの醍醐味は、如何に原曲を連想させられるか、ギター1本というミニマムな世界の情報から如何に原曲を「再現」できるかであると考えている。

その際に他の楽器の特徴や譜面を理解していると「再現度」が高くなっていくため有利であろう。

具体的にいうとザックリとしたコード進行にベースラインの動きを加えてみたり、ドラムのバスドラムやスネアドラムのリズムパターンに対応したストロークにしてみたりという感じだ。

また、例えばネット上のコード進行の譜面を見ておかしいと思った部分があった時、他の楽器の観点から正しい伴奏にアプローチする事が出来るようになる。

1種類の8ビートストロークや1種類の16ビートストロークだけで曲を演奏し切ることは確かに可能だが、とても単調になってしまうし、その曲の魅力や音楽的な面白さは十分に引き出せているとは言えない。
バンドサウンドの理解というのは狭義ではブリッジミュートとかカッティングとかテクニックオンリーの話であるかもしれないが、広義ではピッキングの強さとか音のサステインとか基本的な部分の意識ができるか、ということだ。

そして弾き語りにおける「個性」や「奥深さ」というのは、原曲を再現しようとする際の解釈の違いや、何を重視したのか、どんな観点から曲を分析しているのかという部分に現れてくるのではないだろうか。

既に楽器・バンドをやっているという人は機会があれば他の楽器にも手をつけるのは如何だろうか?

一見遠回りに思えるかもしれないが、意外にも他の楽器で身につけた知識やセンスが他の楽器に活きて相互に高め合う事があるのだ。