今回は「ドラムンベース」というジャンルについて自分なりに考察してみようと思います。
米津健師「Kick Back」について
突然ですが、現在(2023年2月時点)JpopでBillboard Japan Hot 100で4位にランクインしている「Kick Back」という曲をご存知でしょうか。
この曲はアニメ「チェンソーマン」米津玄師さんの楽曲で、制作にKing Gnuの常田大希さんが関わっているという、日本をときめくアーティストのコラボによってできた楽曲です。
イントロから特徴的なのが歪んだスラップベースと、アップテンポなドラムパターンですが、このような曲の音楽ジャンルをドラムンベース(Drum’n’Bass)と言います。
Wikipedia調べですが、ドラムンベースはイギリスで1990年代に流行った電子音楽のジャンルの一つで、テンポの速いドラムビートと重めのベースラインが特徴です。
YouTubeとかで「ドラムンベース ミックス」等と検索すると、ひたすらそのジャンルの曲を流す動画があると思うので具体的に聞きたい方は調べてみてください。
ドラムパターンが割とシンプルなジャンルなので、何曲か聞けばすぐに特徴をつかめると思います。
1990年代と少し古めの音楽ジャンルではあるものの、令和現在の日本音楽シーンにおいて「Kick Back」がこれほど人気を博したのが印象的でした。
Jpopで、ポップスに電子音楽の要素を掛け合わせたような曲は珍しくないですが、一度聞いてドラムンベースだ!と分かりやすく思えるようなジャパニーズドラムンベースはあまり聞いたことがない気がします。
ドラムンベースでありながら、転調やアグレッシブな音作り等常田さん&米津さんの音楽性もちゃんと感じ取られるような作りになっていて素晴らしい曲だと思います。
ボカロシーンについて
一方で、近年のボカロシーンにおいてもドラムンベースの曲がウケたと客観的に考えられる動きがありました。
それは、ボカコレ2022年春TOP100部門でrー906さんの「まにまに」が1位を獲得したことです。
この曲も同様にドラムンベース曲で、比較的長い間奏があり、スラップベースやアップテンポなドラムビートのリフが特徴的です。
コメント欄の反響の一部を見た感じだと、曲の最初の方でこの長い間奏を聞かせるという構成が斬新で尖っているように感じた方がいらっしゃいました。
少し前に、若者の間で間奏やギターソロが飛ばされて視聴されているということが話題(?)になり、近年曲全体の長さがどんどん短くなっているという説もあります。
その傾向から考えると、確かにこの楽曲構成が挑戦的であると言えるかもしれません。
前述したようにドラムンベースは電子音楽のジャンルの一部であり、洋楽の電子音楽を聞くとドロップ(曲のサビに該当する部分)でボーカルが無くてシンセサイザー等の音だけを聞かせるというのはあまり珍しくありません。
だからこそ、典型的なドラムンベースの形式で、かつインストを聞かせる長い間奏があるこの楽曲が1位を取ったことが特段凄く感じます。
個人的な印象として、楽曲を聞いた時にいわゆる一般ウケのようなものを大きく意識した、反映させて作っているようには感じられませんでした。
しかし、メロディーのキャッチーさや癖になる音作りも両立されていて良い曲であるのは間違いないです。
その人がやりたい音楽性を追求したような楽曲が世に評価される、という流れはミュージシャンにとって喜ばしいことだと思うので、個人的にはそのような傾向が続いていってほしいと思います。
まとめ
いかがだったでしょうか。ドラムンベースというジャンルと、最近の音楽シーンにおけるドラムンベースの例について説明してみました。
一昔前に流行ったオシャレなシティポップ的音楽が近年再び流行っているという話を以前の記事でも書きましたが、同様にドラムンベースが今アツくなってきている気がします。
ファッション等と同じように、文化やトレンドの循環のようなものがあるかも知れませんね。
あとオススメのドラムンベース曲があったら是非教えてください。
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